先日、お客様からこんな質問を受けました。
「住宅ローン借りてから、人に貸して別なところに住んでもいいんですよね?」
ハウスメーカーに勤めていたときも、こういう相談を何回か受けました。
内緒にして賃貸に出していることがバレちゃったら?
結構、皆さん「ローンなんて借りてしまえばなんでもあり」…な感覚みたいなんですよね。
これ、銀行が聞いたら基本的にはアウトです。
それでは、もし内緒にして賃貸に出していることがバレちゃったらどうなるんでしょうか?
結論から言うと、銀行に黙ってやると大変なことになります。
住宅ローンの金利が低くて、長い期間の返済が認められているのは、自分が住むためだからちゃんと返済してくれるでしょ?…
つまり「申込人自身が住む家」…それに対するローンだからなんですね。
自分で住まないなら「一括返済するか他のローンに借り換えしてね」というのが本来の考え方です。
事情によって認められるケースもありますが、基本的には契約違反でローンの一括返済を求められることもあります。
勝手に賃貸に出した場合のリスクはとても高いんですね。
賃貸しても、言わなきゃ分からない?
それでは転勤とかどうしようもない事情で、一時的に住めない場合はどうなんでしょうか?
金融機関によって対応は違いますが、融資した住宅に、また戻ることを前提に賃貸することを認めてくれるケースもあります。
なぜそこまで居住用じゃないことに厳しいのかと言うと、住宅ローンを融資している銀行は投資目的で利用されたら困るからです。
住宅ローンの金利は低いので、これを悪用して投資目的で賃貸されたらたまったものではありません。
せっかく審査をして低金利で長期間、しかも大金を融資したのに、その物件に住む人間が分からない…
貸す側にしたら、リスクですよね。
フラット35は第三者に賃貸する目的の物件などの投資用物件の取得資金にはご利用いただけません。
機構では、転送不要郵便にて融資住宅あてに融資額残高証明書をお送りすること等により、申込ご本人またはそのご親族の方が実際にお住まいになっていることを定期的に確認しています。
確認の結果、第三者に賃貸するなどの投資用住宅としての利用や店舗・事務所などの目的外の利用が判明した場合は、お借入れの全額を一括して返済していただきますのでご注意ください。
引用元:【フラット35】ご利用条件
万が一、銀行に内緒で賃貸していることがばれると大変なことになります。
怖いですね…絶対にやめましょう。
もし、住宅ローンを組んでから、転勤や起業、帰省などでその住宅から出なければいけなくなってしまった…
そして、その物件を、貸しにだそうという時には、必ず融資をしている銀行に相談しましょう。
自分の判断で勝手に賃貸したり、住宅会社や不動産会社に相談するのはやめましょう。
全く分かってない営業マンに
「たぶん、大丈夫だと思いますよー!」
なんて、適当なこと言われたらたまったもんじゃありません。
まとめ
どうしても自宅を賃貸に出さないといけない場合には、賃貸住宅向けのローンに切り替えるなどの方法もあります。
ただ、賃貸住宅向けローンは、「金利が高くなる」「住宅ローン控除が使えない」といったデメリットがあります。
ローンを組んだ時点では自宅を賃貸に出すつもりはなくて、やむを得ない事情であれば、交渉できるかもしれません。
必ず、事前に金融機関に相談しましょう。
自宅に戻る見込みがない場合は、売却を考えなければいけないかもしれません。
ライフスタイルの変化や転勤など、さまざまな事情により、マイホームに住み続けることが難しくなることは、珍しくありません。
家を出るとなったら、「賃貸」「売却」「空家」大きくは、このどれかを検討することになります。
まずは銀行に相談…その後、将来のライフプランを考えながらご自身の状況に合った方法を選択しましょう。
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