コロナ禍での事業承継

先日、会社を経営されているお客様のところにお邪魔した際に

「自分の会社を将来どうするか・・・」後継の問題を心配されていました。

経営者の高齢化が進み、中小企業の「事業承継」の重要性が高まっています。

そんな社会的背景の中での新型コロナウィルスの感染拡大。

「やっぱりもう少し様子を見よう・・・」承継時期を先延ばしされたい経営者の方が増えているそうです。

新型コロナウィルスの影響で納税が難しくなった場合に創られた「特例猶予」の適用の状況が国税庁から発表されました。

なんと!コロナ禍の影響で資金繰りが難しくなった企業や個人の「納税猶予」された税額は約1兆5000億円(約32万3000件)この内法人税は約4,300億円になったそうです。

この記事を書いている2021/10現在、感染が少し全国的に落ち着いていますが、長引くコロナ禍の影響で、中小企業が大変厳しい状況だということが分かりますね・・・。

事業承継の税金問題

まだまだいつ新型コロナが収束するのか先が見通せない状況の中で、事業承継を延期するか前倒すか・・・。

そして事業承継で必ず考えなければいけないのが「税金」の問題です。

平成30年度の税制改正で、中小企業が事業承継をしやすくするために、事業承継税制の「特例措置」が創られました。

特例措置一般措置
事前の計画策定令和5年3月31日までに「特例承継計画」を提出不要
適用期限令和9年12月31日までの贈与・相続等なし
対象株数全株式総株式数の最大2/3まで
納税猶予割合100%贈与:100% 相続:80%
後継者複数株主から最大3人複数株主から1人
事業継続が困難な場合の免除ありなし
相続時精算課税制度60歳以上の者から20歳以上の者への贈与60歳以上の者から20歳以上の
推定相続人(直系卑属)
や孫への贈与
「特例承継計画」・・・税理士などの認定支援機関の指導・助言を受けた会社が作成した計画書。
「後継者の名前」「事業承継の時期」「承継までの経営見通し」「承継後5年間の事業計画」等を記載。

経営者 ⇒ 後継者へ ⇒ 贈与税・相続税の申告=納税猶予 ⇒ 後継者の死亡等=納税免除

「特例措置」を受けるためには、令和5年3月末までに「特例承継計画」を提出、令和9年12月末までに実際に承継を行わなければいけません。

悩む事業承継のタイミング

このようなコロナ禍の中での事業承継はなかなか大変ですよね・・・。

色々な心配が尽きないと思います・・・。

そんな中で「特例措置」適用に必要な「特例承継計画」の提出期限が迫っています

「特例承継計画」は税理士等の専門家に相談する必要があり、準備、作成に時間が掛かります。

大変な時ですが、事業承継をしやすくするために創られたせっかくの「特例措置」です。

事業承継をお考えであれば、この時期にもう一度この制度の適用を検討されてみてはいかがでしょうか?

また、まさに新型コロナウィルス感染拡大は、一昨年から考えてみれば「想定外」な出来事です。

こんな時だからこそ、経営している事業の敷地や建物をどうしていくか・・・

事業承継も含めた色々な制度を改めて確認して、将来に向けた対策を検討するいいきっかけかもしれません。

株式会社usuki宅建事務所 代表取締役
1976年生まれ、おとめ座。新潟県新潟市出身。
宅地建物取引士・2級ファイナンシャル・プランニング技能士
古民家鑑定士一級・住宅ローンアドバイザー
不動産キャリアパーソン
新潟明訓高校、東洋大学卒業後、パナソニックホームズ株式会社(旧パナホーム株式会社)に営業職として1999年入社。2021年独立、株式会社usuki宅建事務所設立。
趣味:キャンプ・スノーボード・水草水槽・自転車

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