日常の生活で「税金」が掛からないお金のやりとりって、たくさんありますよね?
「ノート買いたいから100円ちょうだい」
子供にそう言われて、その都度、贈与税が掛かったら、たまったもんじゃありません・・・
そんな小さなお金のやりとり全部に課税するのは、現実的じゃありません。
そこで、相続税法では ⇒「原則として贈与を受けたすべての財産に贈与税がかかる」
(出典:国税庁「No.4405 贈与税がかからない場合」)
としながら、例外を認めています。
例えば、夫婦間や親子間の生活費や教育費、祖父母が出してくれる孫の教育資金のような「通常必要とされるもの」
また、お年玉とか香典とか「社会通念上相当と認められるもの」については「非課税」になっています。
でも、これらに当てはまらない、非課税かどうかのグレーゾーンのケースって、たぶん多いですよね?
そういう細かいお金のやり取りは「110万円まで非課税でいいですよー」
というのが、「暦年贈与の110万円の非課税枠」です。
これがある限り、契約書が無くても、誰とのやりとりでも、どんなことでも「年間110万円までなら税金は掛からない」と解釈されるわけです。
暦年贈与が無くなる!?
もし、暦年贈与が廃止されてしまうと、今までは110万円以下だったら非課税だったお金のやりとりが、その都度「贈与税の対象か?」判断しなければいけなくなります。
これって、納税する側で考えると、ものすごく面倒ですよね?(>_<)
いちいち確定申告するとか・・・
だいたい、国税局もどうやって徴収するんでしょうかね、ひとりひとりの数万円のやりとりをひとつひとつチェックする?・・・
もし暦年贈与が廃止されたら、小さいお金のやりとりまで考えなくてはいけません。
でも、今、政府はその ⇒暦年贈与の見直しを考えてるみたいなんですね。
(出典:朝日新聞社 相続会議「2022年度の税制改正大綱を解説 相続税と贈与税の一体化はなぜ見送られたのか」)
見直した場合の影響が大きいようで、2022年度の税制改正大綱には明示されませんでしたが・・・
ただ、今後も検討を進める方針は変わらないようで、この数年で廃止されてしまう可能性があります。
これからの相続税対策はどうする!?
贈与税の非課税措置は、限度額の範囲内では、家族内における資産の移転に対して何らの税負担も求めない制度となっていることから、そのあり方について、格差の固定化防止等の観点を踏まえ、不断の見直しを行っていく必要がある。
引用:自民党ホームページ│「令和4年度税制改正大綱」
https://www.jimin.jp/news/policy/202382.html
少なくとも、暦年贈与については、縮小か廃止か、何かしら変わる可能性が高そうです。
納税する側としては、廃止されると考えて準備しておいた方がいいかもしれません。
気をつけないといけないのは、暦年贈与の縮小・廃止だけじゃない可能性もあるんですね。
上記の「贈与税の非課税措置」とありますが
これって、不動産購入で言えば住宅取得資金贈与の特例とか、教育資金の一括贈与の特例とか、こういった特例も見直しの必要があるって言ってるんです・・・
早ければ、次の税制改正で動きがあるかもしれませんね。
暦年贈与の縮小、廃止については、段階的にやっていくのでは?・・・とも言われているようです。
例えば、現状では相続前3年以内の贈与は、相続財産に戻して計算されますが、これが5年とか10年になったり・・
最終的にどういう形になるのかは、まだ分かりませんが、相続税対策の中でも簡単で分かりやすい暦年贈与。
そのまま手元に現金を持っていても、そのまま相続財産として計算されて、相続人に税金が掛かってしまいます。
暦年贈与は難しく考えることなく、完全に非課税になる、計画的に資産を動かせる方法です。
数年内に使えなくなるかもしれない暦年贈与、今のうちに活用していきたいですね。
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