先日、同業者の方と話していたのですが、最近、住宅を求める人が「郊外」を希望するケースが多いようです。
土地にしても、中古戸建にしても。
それと同時に、ここ新潟では、見てると中古戸建の売買の回転が速いです。
よく売れてるということなんでしょうね。
新型コロナウィルスをきっかけに生活様式や働き方に変化が起きても、郊外の不動産を求めるブームは一時的なのかな?
…と思ったりもしましたが。
どうやら、多くの企業で「テレワーク」という新しい働き方が生まれたことで、その流れが定着しつつあるようです。
住まいや生活に対する人の考え方も、コロナウィルスは変えてしまいました。
これまでオフィスに通勤するのが当たり前だったのに、会社によっては週1、2回どころか月に1、2回の出勤です。
私の事務所は管理物件の中に構えてますが、最近、車の出入りの仕方が変わってきたなー…と感じます。
前みたいに、朝いっせいに車が無くなり、夜いっせいに帰ってくる…なんてことが無くなりました。
出勤する日以外は、自宅や家から近いワークスペースで仕事するとなれば、自分の拠点はどこに構えるのが一番いいのでしょうか?
オフィスが会社がどうこうというより、自身の「生活スタイル」に合った「家」選びになるでしょう。
コロナ禍をきっかけに、家探しは新しいスタイルに変わって来ています。
その物件、ほんとに買って大丈夫!?
郊外にある戸建住宅…もう一度、その物件を買うべきか冷静に判断しましょう。
最近、ここ新潟で不動産の仕事をしてて気になったことがあります。
それは、20年~30年前くらいに大規模分譲された土地に建てられた「中古住宅」の情報が出始めているということです。
分譲地とは、字の通りで、造成会社や不動産会社がまとめて買った土地を、区画分けして住宅会社や一般の人に販売する土地です。
たとえば、新潟の場合、広い面積の田んぼとか畑なんかを、造成工事をして宅地として売り出すみたいなケースですね。
30歳台~40歳台で当時買った人たちが、今では50歳~60歳くらい。
当時の間取りも、3LDKくらいの大きさが主流でしたから、当然、成人した子供が戻ってくるスペースなんてありません。
出て行った子供は、自分たちですでにマンション買ったり、家建てたりしてるので、戻る必要もありません。
そうなるとどうなるか?…手余りになったり、老後を考えたりして、住み替えようと売却や貸しに出すわけです。
これがもう少し年数が経って、相続物件が増えてくれば尚更です。
大規模分譲地は、郊外の土地が広い田んぼや畑を開発してるんで、車が無ければ利便性がいいとは言えないところが多いです。
買い物行くにも、病院行くにも、駅やバス停などの公共交通機関にも遠く、何するにも車が必要。
とても高齢になったからって運転免許返上なんてできないような状況が待ってるわけです。
いくら、郊外を希望する人が増えてるとはいえ、こんな状況にある中古住宅でもいいでしょうか?
個人的な考えでは「やめたほうがいい」です。
もっと物件が溢れてくる!?
そんなに慌てなくても、高齢化による人口減少で、今後、戸建やマンションなどの中古物件はどんどん増えるでしょう。
これからの時代、長く快適に生活していくためには、その物件の立地環境に、集中した「街」としての機能があるかどうかです。
公共交通、医療、福祉、商業等の、いろんな都市としての機能がコンパクトに組み合わされているかどうか。
いままでのように、地面があればバーっと家が建って、バーっと人が移ってくる…みたいなことはありません。
だから、大規模分譲地で育った子供が、その地に戻ってくることはないでしょう。
そもそも戻ってこれるような間取りじゃないし場所もないし、成人して家庭を持てば他の地に生活の拠点をつくっています。
今は、昔の地方の農家などのように長く世代が代わっていくような家はありません。
基本的に、他から移り住んでる人の集まりのため、昔と違ってコミュニティもできてない。
つまり次の世代がそこに住む、帰る理由がない…んですね。
恐らく大規模分譲地の中で建てられた「中古物件」の情報は増えていくでしょうし、今より価格も下がるかもしれません。
でも、これから大量に住宅が余ると言われてる時代に、大規模分譲地の中の家に飛びつく必要がありますか?
もちろん物件自体の良し悪しは大切です…でも○○町だから坪単価いくらとかいう時代は終わりました。
もう一度その物件がある「街」としての機能はどうなってるのか、見直してみてはいかがでしょうか。
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