日本の古民家を、未来に残す

日本全国、各地の気候風土に合わせて、数多くの古民家が残っています。

古民家カフェ、古民家民泊、古民家共有施設など、古民家を再生させて有効活用する事例が増えてきています。

KYOTO PROJECT 『歴史と文化とアウトドア。』←(出典:Columbia)

(※築100年の古民家を再生し、アウトドアブランドの新店舗としてオープンした事例)

素敵ですよね!

ただ、有効活用する一方で古民家住宅が無くなっていく事例も少なくありません。

・古くて汚くて寒い・・・

・更地にして、宅地として売り出したい・・・

・親の家を相続したけど、誰も住む人がいない・・・

取り壊す理由は色々です。

でも、古くからある日本の伝統的な住宅の文化が無くなっていくのは、なんだか残念な気がしますよね。

そもそも、今の建築基準法は戦後復興、とにかく大量生産・・・で出来たものなので、昔の伝統的な建築手法とは、考え方が違うんです。

当然ですが、古民家住宅を解体してしまったら再生、再現するのは難しいです。

古民家住宅の価値とは!?

それでは古民家住宅とは、どういった住宅なのでしょうか!?

なんとなく古い住宅・・・というイメージはもちろん皆さんありますよね。

実は、「古民家住宅」という定義は法律ではありません。

国の登録有形文化財の登録制度が、築50年以上の建築物と定めているのを参考に、関係する協会などが一般的には築50年以上の住宅が「古民家」と定義しています。

固定資産税の評価では、日本の木造建築は築20年を超えたあたりから税法上、建物の価値が0となってしまいます。

そうなると、だいたいの人は築20年~30年くらいで、建て替えしようか・・・となりますよね。

欧米には無いスパンでの日本の建て替えサイクルは、もちろん気候なども影響はあるでしょうが、この減価償却の側面も影響している気がします。

でも、全てにおいてその基準は正しいのでしょうか? 全部の建物が価値0ですか?・・・

木材は長い年月をかけて水分が抜けていき強度が増します。

そんな強度ある木材が贅沢に使われた古民家は、本当は耐久性のある住宅かもしれないのに、その前に解体されているものも多いはずです。

古民家を時代に合わせて作り替える!?

とはいえ、古民家住宅の改築には、課題もあります。

長い年月が経った木造住宅なので、腐っている部分があれば修復作業が必要ですし、耐震性の見直しも必要となります。

柱に接ぎ木をしたり、基礎を新しくしたり、耐力壁も必要かもしれません。

現在の建築基準法に沿って、再築を検討していく訳ですね。

費用や時間をかければ、昔の造り方そのままの伝統工法での再築も可能かもしれませんが、あまり現実的ではない気もしますね。

年月が経って、日本人のライフスタイルや住宅への考え方も変化してきているからです。

過去の空間デザインに、今の安全安心そして快適を加えて、未来的な「古民家住宅」に造り替える

時代に合わせた住み心地のいい空間にするために、例えば 薪ストーブや床暖房、サッシは断熱サッシに・・・

古民家を当時のまま再現する方法ももちろんありますが、昔のものに手を加えて今の時代に合わせていくことで、未来に残していく可能性も広がるかもしれません。


コロナ禍でオリンピックが開催されました。

無観客での開催となり、今回は外国からの観光客は少なかったでしょうが、外国の方がイメージしている日本の景色はどんなものなんでしょうか・・・。

もちろん、富士山、スカイツリー、東京、大阪etc・・・最新の建造物や街並みはもちろんですが、城や神社仏閣等、日本人の繊細さが伝わる古き良き日本の建築もあるのではないでしょうか。

それと同じように伝統的な住宅「古民家」も、残していきたい貴重な日本の財産だと感じます。

株式会社usuki宅建事務所 代表取締役
1976年生まれ、おとめ座。新潟県新潟市出身。
宅地建物取引士・2級ファイナンシャル・プランニング技能士
古民家鑑定士一級・住宅ローンアドバイザー
不動産キャリアパーソン
新潟明訓高校、東洋大学卒業後、パナソニックホームズ株式会社(旧パナホーム株式会社)に営業職として1999年入社。2021年独立、株式会社usuki宅建事務所設立。
趣味:キャンプ・スノーボード・水草水槽・自転車

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