新型コロナウィルスや、働き方改革…色々な社会的背景から、生活の仕方、社会の仕組みに変化が起こっていますね。
もちろん、不動産でいえば「マイホームの購入」も市場の変化はあるはずです。
ここのところ、物件情報でも良く目にするのが、フルリノベーションをした中古住宅やマンション。
例えば、複数の居室をひとつの部屋に間取りを変えたり、設備の入れ替えと合わせて壁の位置を変えたり…。
見た感じ「あ、良さそうだなぁ…」と思うと、すぐに売れちゃうのが印象的です。
正直、ハウスメーカーに勤めていた私は、自分の視点や考え方が、新築に寄り過ぎてたんだなと気づきました。
リノベやリフォームしても、中古の物件を売るのは難しいんじゃないかな…と。
新築しか扱ってなかったので、感覚的に良く分からなかったんです。
中古物件の提案の仕方も、その良さも。
新築の場合、例えば建売住宅が3戸あれば、3人に売らなければなりません、当然ですが。
3人だけに売れればいいのに、売れないのが怖くて、誰もが「良い」と感じる無難な間取りやインテリアになりがちなんです。
3人以上から3人に買って欲しい…個性や自分らしさを求めるニーズなんて、到底満たされません。
ましてやハウスメーカーで、商品設計(寸法など)にも、ある程度の規格があるわけだし。
一方で、こだわって作られたものをリノベした戸建やマンションって、希少性が高いたったひとつのものです。
そのこだわりが、たった1人のユーザーに「お、いい!」と響けば、すぐ購入につながりますよね。
リノベされた戸建やマンションを購入して、更に自分で手を加えるという人もいます。
今後、もっと中古住宅が市場に広がると、住宅に関するいろんな価値観が大きく変わるかもしれません。
私がハウスメーカーに入社してずっとしばらく、ここまで中古住宅の市場は賑わっていませんでした。
新築の信仰が強かったのか?
日本人は「家を買ったら一生住み続ける」という固定観念が強い気がします。
実際には、子どもが生まれて手狭になったり、反対に子どもが巣立って広くなりすぎたり、ライフステージって変化しますよね?
家族の変化は当たり前のように受け入れる。
そして、今の自分の環境に合ってない家には文句も言わず、35年で住宅ローンを組んでいる…。
新築がダメだとは言っていません。
いい中古住宅はいい新築から生まれます。
中古物件が流通すれば、暮らしの変化に合わせて家を買い替えるという選択も、有りなはずです。
欧米のように、日本でも住み替えが当たり前になる時が来るかもしれません。
(アメリカでは約8割以上が中古に住んでいるそう…)
間取りが変わるように、マイホームの考え方もその時代に合わせて変化します。
これからは「家を売る前提で家を選ぶ」そんな人も増えていくのではないでしょうか。
この記事へのコメントはありません。