土地や建物の売買代金は高額ですよね。
多くの方は住宅ローンを利用して購入します。
しかし、万が一、住宅ローンが借りられないとなると、買う側の代金を支払う義務(債務)の不履行となり、売買契約の解除はもちろん、売主側から違約金を請求されることになりかねません。
そのため、今では当然のように、住宅ローンが借りられなかった場合に、買う方の意思表示で契約の効力を無くすことができる「ローン条項」が利用されています。
ローン条項とは!?
昭和48年に当時の建設省から次のような通達がされています。
「土地または建物の売買において、代金の支払いについての金融機関のローンを利用すること条件として契約を締結する場合は、少なくとも次に掲げる事項を、重要事項説明書および契約書に明記すること。」
①金融機関との金銭消費貸借に関する保証委託契約が成立しない時、または金融機関の融資が認められない時は、売主または買主は売買契約を解除することができること。
②売買契約を解除した時は、売主は手付または代金の一部として受領した金銭を無利息で買主に返還すること。
どんな時に契約解除できるの!?
ローン条項なんて当たり前じゃん!心配ないでしょ・・・
という声が聞こえてきそうですが大切なポイントがあるんです。
「具体的」にどのような場合に契約を解除できるのか?
だからダメだった場合でしょ?と言われそうですが
どのような住宅ローンを予定していたかを、売る方も買う方も明確にしておいた方がいいんです。
なぜかといいますと、例えば、契約時には低金利のローンを借りる予定だったとします。
実際に銀行に相談すると、商品を替えて高い金利のものであれば融資は可能だと言われたとします。
このような場合、当初予定していた金利よりも高い金利であれば融資は可能な訳ですが
高い金利なんてイヤだ!契約を解除したい!・・・
それが可能かどうかは、どのようなローン条項を当事者が予定していたかにかかってくる訳です。
ローン条項に記載する項目!?
ただし、返済期間や金利が当初予定したものと違って買主に不利になる場合は、ローンの不成立と同じように、買う方の権利の濫用にならない限りは、ローン条項が適用されるものと考えて良いようです。
(※注:あくまで事例からですので、詳細な内容の確認等は弁護士等にご相談下さい)
そのためにも、どのようなローンを予定していたのか明確にしといた方がいいんですね。
仲介の不動産会社が「適当に大体でいいんですよ!」なんて言わないでしょうがw
最悪を想定すると、売主から債務不履行を訴えられることも考えられる訳ですから、当事者意識でしっかり確認しましょう。
ちなみに不動産取引の表示事項で、ローン提携販売(業者がローンを提案して販売)する場合の表示項目が参考になるかと思います。
・金融機関の名称、商号
・販売価格に対する融資割合
・購入者の所得に対する融資割合
・融資限度額
・借入金の返済期間
・金利
・保証料などの諸費用の金額
「不動産会社から、融資の紹介や斡旋を受けないで、自分で手続きするから大丈夫!」・・・
万が一にも、融資の審査が下りずに、ローン条項の契約解除で揉めることになったら大変です。
金融機関・返済期間・金利・金額は、契約段階で最低限はっきりさせておきましょう。
また契約前に、不動産会社や住宅会社と一緒に、しっかりと書類内容の確認することをお勧めします。
この記事へのコメントはありません。