金利が上がったら固定金利に変えましょう!?

先日、ショッピングモールに買い物に行って、置いてある住宅ローンのチラシに目をやると・・・

低金利の状況は、依然として変わらないようですね。

昨今の住宅ローン、低金利を理由に変動金利を選択される方が多いと思います。

「金利が上がりそうになったら固定金利に切り替えればいいんですよ!」

不動産会社や住宅会社の営業マンにそう勧められるがまま選んでしまったり・・・。

実は変動金利から固定金利に切り替えるのは、「タイミング」が難しいんです。

変動金利からの切り替えはプロでも無理!?

今の変動金利は、ものすごく低いですね!0.4とか0.5とかビックリします。

確かに固定金利と比べると、利息負担が約3倍以上、違ってきますから変動金利を選びたくなるのも分かります。

しかし、将来、金利が上がった場合、どう対策しますか!?

「固定金利に切り替えればいい」と簡単に考えていませんか?

実は変動金利から固定金利に切り替えるのは、かなり難しいんです。

固定金利に切り替えるのは難しい!?

なぜ難しいのかといいますと、変動金利が上がりそうな時は、固定金利が上がってしまっている可能性が高いからです。

変動金利は短期金利、固定金利は長期金利をもとに金利が決定します。

そして金利が上がったり、下がったりするときは、短期金利よりも長期金利の方が先行する傾向があります。

これは、債券市場に出ている金融機関(機関投資家)は、日銀による利上げ利下げを見越して売り買いの投資活動をするからなんですね。

つまり日銀による利上げが行われそうになったら、すぐに長期国債などの債券を売ります。

これは短期債より長期債の方が値動きが大きいので、債券の価格が下がる前に早々に動くわけです。

結果として、利上げが行われる前に長期金利が上がっていくことになります。

これが変動金利が上がる前に、固定金利が上がる可能性が高い理由です。

毎日、お金のにらめっこしてる金融のプロじゃない一般の方が、機関投資家より先に動きを読めますか?

これは株式市場でも同じですね。分かりやすいニュースや決算や季節のトレンド以外の、機関投資家の動き・・・株価が上がりそうな銘柄を読めますか?

まず難しいでしょう。

金利が上がりそう?ほんとに分かる?

「金利が上がりそうになったら固定金利に切り替えればいいんですよ!・・・」

そもそも金利が上がりそうなタイミングって分かりますか?

「株価が上がりそうだから、あそこの会社の株を買おう!」くらいあてにならない気がします。

おそらく、多くの人が少しくらいの上がりはじめなら、また下がるかも・・・と様子を見るでしょう。

本格的に上がってきたら、慌ててすごく高くなっている固定金利に切り替えるか、もしくはその時の固定金利の高さにビックリして、そのまま変動金利のままか。

慌てて上がりきっている株式の銘柄に飛びつくか、上がり過ぎて買えずに眺めているか・・・。

変動金利から固定金利に切り替えるタイミングを知るのは、プロでも無理でしょう。

またプロでも、タイミングについてアドバイスするのは難しいはずです。

「金利が上がりそうになったら切り替える」

安易にこの考え方で変動金利を選ぶのは、やめた方がよさそうです。

株式会社usuki宅建事務所 代表取締役
1976年生まれ、おとめ座。新潟県新潟市出身。
宅地建物取引士・2級ファイナンシャル・プランニング技能士
古民家鑑定士一級・住宅ローンアドバイザー
不動産キャリアパーソン
新潟明訓高校、東洋大学卒業後、パナソニックホームズ株式会社(旧パナホーム株式会社)に営業職として1999年入社。2021年独立、株式会社usuki宅建事務所設立。
趣味:キャンプ・スノーボード・水草水槽・自転車

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