「水」に関わる火災保険

「水」に関わる火災保険の補償。

住宅や家財に損害が生じても、火災保険で補償されないケースがあるのはご存知ですか?

それは、損害の原因が何なのか?また、契約の種類によって「出る・出ない」が決まるからです。

重要事項に記載されていても、詳細隅々まで覚えていられませんよね?・・・

思っていたはずと違った!とならないようにポイントを押さえておきましょう。

何が原因で「水漏れ」が発生したか!?

火災保険金の請求の内容は、災害リスクの違いから、当然にエリアの特性が出てくるでしょう。

しかしエリアを問わず、請求相談が多いのが「水漏れ」だそうです。

請求相談が多いから補償を受けている案件が多い・・・とは限りません。

水漏れの損害とは「建物内外の給排水設備の事故、あるいは他の戸室の事故から生じた事故」を言います。

例えば、上の階の他人のお部屋から排水事故が起きたとか、スプリンクラーが誤作動したとかで、住宅や家財が損害を受ける・・・といったケースが考えられますね。

Q:それでは、台風の時に、住宅に隙間や損壊しているところがあったために水漏れの損害が起こった場合はどうでしょうか?

A:なんだか、保険金が出そうですが、これは対象外です。

なぜかといいますと、もともと壊れていた建物に損害が生じるのは「偶然」ではなく「必然」だからです。

「偶然」でないと水漏れの補償要件には該当しないんですね・・・

Q:それでは台風の風で住宅が倒れ傾き、雨風が吹き込んで損害を受けた場合はどうでしょうか?

A:この場合は「風」が原因で起きているので、水漏れでなく「風災」として補償されます。

豪雨が原因の損害は!?

日本には現在、土砂災害で住民に危険が及ぶ恐れがある「土砂災害警戒区域」に指定された区域が全国で約70万あると言われています。

不動産取引の重要事項説明書にも、対象区域かどうか記載しなければいけません。

調査が完了してなく、未指定の区域もあるようで、警戒区域はさらに増えるでしょう。

土砂災害には、がけ崩れや土石流、地滑りなどがあり、これらが起きる原因はいろいろです。

火災保険から保険を受けられるか?いくら補償されるか?それは「原因」によって違います。

Q:熱海市で7月に起きた土砂災害。この直接的な原因は活発な梅雨前線による集中豪雨でした。この場合は火災保険は出ますでしょうか?

A:火災保険に「水災」の補償があれば出ます。(※対象かどうかの詳細は保険会社にお問合せ下さい。)

水災は台風による雨や集中豪雨など「水」が原因の損害を補償対象としており、最大で住宅の再調達価額まで補償されます。

こないだのような事態を考えると大きいですね。

「水災」がついていれば安心?・・・ただし、損害がそこまで大きくない場合、水災の補償があっても、土砂災害などでも、保険金が支払われない場合がありますので注意が必要です。

Q:たとえば土砂災害で床上浸水せずに、住宅価額の30%以上も損害がなかった場合は、補償される?

A:30%未満の損害では補償は受けられません。これは現在の水災保障の一般的な補償要件です。


同じ種類の災害であっても、原因が違うと補償内容も違ってきます。

損害の原因がなんなのか?それによっては火災保険の補償が受けられない場合もあります。

そもそも、災害のリスクの高いエリアや立地を回避すること。

これから不動産選びをする方は、購入してから補償を契約内容で確保するだけでなく

リスク回避を考えてエリア、立地検討をすることも、サイクルコスト=保険料を抑えるポイントかもしれません。

株式会社usuki宅建事務所 代表取締役
1976年生まれ、おとめ座。新潟県新潟市出身。
宅地建物取引士・2級ファイナンシャル・プランニング技能士
古民家鑑定士一級・住宅ローンアドバイザー
不動産キャリアパーソン
新潟明訓高校、東洋大学卒業後、パナソニックホームズ株式会社(旧パナホーム株式会社)に営業職として1999年入社。2021年独立、株式会社usuki宅建事務所設立。
趣味:キャンプ・スノーボード・水草水槽・自転車

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